top of page

こんなレタリングの仕事をしていました

小宝について

小説宝石の目次について

レタリングの基礎になったのはこの「小説宝石」という大衆小説誌の目次仕事でした。1971年から2001年まで、最初の約5年は会社で、それ以降は一人で描いていました。月刊誌なので12回、別冊が隔月だったので6回、年間計18冊の目次を描いたことになります。世の中にいろんな仕事がありますが、これは稀有な分野だったのではないでしょうか。グラフィックデザインの中で一番面倒で難しく、緊張する仕事でした。

 

原寸大で描くのが原則。文字数に関係なくスペースに合わせて変形させて均等な太さで描くのですが、レタリング場合はレンズ変形の影響がなく同じ太さで描くことができます。

 

これは従来の活字や写植、フォントにはない発想でした。これが私のフォントの隅々に活かされています。

 

私はコミックロゴのデザインを数多く頂きましたが、当たり前に明朝体を描くというこの仕事に比べれば、苦しくとも遊びのようなものでした。     (C)光文社

リュウセイフォントの原点文字

リュウセイ原点

レタリングを始めてちょうど10年目の1981〜82年の頃、ちょっとまとめてみようと思った書体です。なんてことないゴチックですが自分なりに読みやすさを追求しました。

 

「何か面白い文字」というのは、その都度考え作図して描くライブ感が面白いのであって、それが書体になると文字が死んでしまうというか、何だかツマラナイのです。誰が使っても同じ結果、缶詰のようなカップラーメンのような味気なさ。でも圧倒的に便利ではありますが・・・。

 

ツマラナイのだけれどストレスなく読みやすいベーシックな文字をデザインしたいと考えていました。これは派手なデザイン文字ではなく、一番華のない地味な仕事かも知れません。

 

作りたかったのは正体と長体5番文字、面積比は違えど縦棒と横棒がまったく同じになるトニカとドミナントというフォントです。これは元気なうちにまとめてみたいと考えていました。

 

このアイデアは私が老眼になって初めて「自分がこれまでやって来たことを集大成すれば良いのではないか・・・そうだったのか」と気づかせてくれた原点でした。

 

 

 

 

bottom of page